Ⅵ. 腫瘍病理総論
A.
腫瘍の定義
(2015 21 22、 2014 22 24、2013 27、2012 23)
a. 自律的増殖〈幹細胞的分裂〉
b. 接触抑制を失った細胞
|
上皮性 |
非上皮性 |
良性 |
腺腫、乳頭腫 |
筋腫、脂肪腫、軟骨腫、血管腫 |
悪性 |
癌腫 |
肉腫、白血病 |
*肉芽腫は腫瘍ではなく、炎症反応
・腫瘍
:自律増殖する細胞群をいい、上皮性、非上皮性、良性、悪性の総てを含む
・上皮細胞
:体の表面や管腔臓器(消化器、呼吸器、泌尿器・生殖器、乳房など)の表面を覆う細胞
・非上皮性
:皮細胞以外の体の組織(筋肉、脂肪、血管、骨・軟骨、血液など)を構成する細胞
・良性
:自律増殖はするものの、周囲組織への浸潤や離れた臓器への転移をしない
・悪性
:周囲組織への浸潤や離れた臓器への転移をする性質ないし状態のこと
・がん
:上皮性、非上皮性を問わず、悪性の腫瘍のこと
○悪性細胞の所見 (2014 21)
・核の大きさ・形状
:核の増大(N/C比増大)、不形成、大小不同、多形成
・クロマチン
:増量、粗大顆粒凝縮
・核小体
:増量、増数
・核分裂
:多い、非対称、多極性
○悪性腫瘍の細胞 (2015 30、2014 25)
低分化、不整形、核分裂像が多い、接触阻止能の喪失
○組織型 (2017 16、2016 19、2015 27、2014 28、2012 19 64)
・扁平上皮癌
:皮膚や器官の粘膜の表面、口や喉の内部、食道の内側、子宮頸部(入り口の部分)、腟、肺
・腺がん
:胃や腸、子宮体部、肺、乳房、卵巣、前立腺、すい臓、胆のう、(肝臓)
B. 良性腫瘍
a. 膨張性発育
b. 高分化
C. 悪性腫瘍(癌、肉腫)
a. 浸潤性発育
b. 低分化
D. 統計
a. 発生頻度など
5年生存率 (2014 29、2012 22)
~10%:「膵臓」
20%~:「胆のう・胆管」
30%~:「食道」「肝および肝内胆管」「肺」「脳・中枢神経系」「多発性骨髄腫」「白血病」
40%~:
50%~:「卵巣」
60%~:「全部位総合」「口腔・咽頭」「胃」「腎・尿路(膀胱除く)」「悪性リンパ腫」
70%~:「大腸(結腸・直腸)」「喉頭」「子宮頸部」「膀胱」
80%~:「子宮体部」
90%~:「皮膚」「乳房(女性のみ)」「前立腺」「甲状腺」
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