7. 腫瘍の発生と進展
A.
腫瘍の発生
a.
がんの発生の場、誘因
(2017 17、2016 14、2015 23 2014 27、2013 22 28、2012 26)
咽頭がん:「タバコ」「アルコール」「EB(エプスタインバール)ウイルス」
上咽頭腫瘍:「アジア人」「EB(エプスタインバール)ウイルス」
中咽頭:「アルコール」「喫煙」「HPV(ヒトパピローマウィルス)」
下咽頭腫瘍:「タバコ」「アルコール」
喉頭がん:「喫煙」
舌癌:「飲酒」「喫煙」「舌に対する物理刺激」
中皮腫:「アスベスト」
乳がん:「初経が早い」「閉経が遅い」「妊娠回数が少ない」
「出産経験がない」「家族に乳癌や卵巣癌がいる」
子宮頸がん:「HPV(ヒトパピローマウィルス)」
卵巣がん:「家族歴」「高身長」「喫煙」
子宮筋腫:「エストロゲン」
食道がん:「生活習慣(タバコ、酒)」「身体的要因(バレット食道、アジア人)」
胃がん:「食事内容」「胃MALTリンパ腫ではヘリコバクターピロリ菌の感染」「遺伝」
肝臓がん:「85%はB型またはC型の肝炎ウイルスに感染(特にC型)」
「タイ肝吸虫」「アフラトキシン」
膵臓がん:「肉食の増加・喫煙」
肺がん:「タバコ(リスクは約6倍、扁平上皮、小細胞癌は関係が濃厚) 」
「環境的要因」「遺伝子変化」
「職業的要因(放射線、ニッケル、重クロム酸、アスベスト、ヒ素)
」
膀胱がん:「ビルハルツ住血吸虫」
白血病、悪性リンパ腫:「ヒトT細胞性白血病ウイルス」
b. 前がん状態 (2012 28)
舌癌:「白板症」「紅板症」「梅毒」「扁平苔癬」
肝臓がん:「肝硬変」
大腸がん:「ポリープ腺腫」「家族性ポリポーシス」
胃がん:「胃粘膜の腸上皮化生(慢性胃炎)」
子宮頸がん:「異形成」 *筋腫は悪性化しにくい
皮膚がん:「ページェット病」「ボーエン病日光角化症」
前立腺がん:「HGPIN」
乳がん:「慢性乳腺症」
c. イニシエーション:発がん物質によるDNA損傷 (2016 16、2014 25)
↓
d. プロモーション:自律的な細胞増殖能の獲得 (2016 16)
e. がん幹細胞:抗がん剤や放射線治療があまり効かない (2016 14)
B.
増殖、成長
a. 成長の測定(RECIST
など)
b. 増殖の解析
c. 接触阻止能消失
d. がん遺伝子、がん抑制遺伝子
e.
増殖シグナル〈EGF、EGFR〉
・EGFR:上皮成長因子受容体(EGFR)は上皮成長因子(EGF)を認識する受容体
肺癌の分子標的治療などに用いられる
C. 悪性腫瘍における浸潤と転移
a. 浸潤の原因
b. 転移の機序と経路〈血行性転移、リンパ行性転移〉 (2017 14、2016 14、15)
○播種性転移
腹腔や胸膜に、近くに出来た臓器にあるがんが増殖して、その内面に種を蒔くように広がっていく
シュニッツラー転移
:腹腔内臓器の癌が腹膜播種を起こし、ダクラス窩に転移した状態である
○リンパ行性転移
センチネルリンパ節
:悪性腫瘍病巣などの局所から流れ出たリンパ液が最初に入り込むリンパ節のこと
ウィルヒョウリンパ節転移
:胃癌などの左鎖骨上窩リンパ節転移のこと
腹腔内のリンパ液が胸管を通り、左静脈角で鎖骨下静脈に開口しているためその周囲に転移しやすい
○クレッケンベルグ腫瘍
:胃がんなどの卵巣転移
*CT、MRI、PET検査などで転移検査をする
○血行性転移
○転移しやすい臓器組織
乳がん:肺、腎臓
肺がん:肝、腎、脳
胃がん:肺、肝、腎、膵
リンパ性→血行性→播種性の順で起こりやすい
膵臓がん:播種性で転移する
○骨転移しやすい癌 (2017 29、2015 39、2013 34、2012 39)
「肺癌」「乳癌」「前立腺癌」「甲状腺癌」「胃癌」「腎細胞癌」
前立腺癌と一部の乳癌(20%)は造骨性が多く、他は溶骨性が多い。
D. 腫瘍の境界領域
a. 腫瘍と非腫瘍性病変との境界領域
b. 良性腫瘍と悪性腫瘍の境界領域
E. 重複がん
a. 重複癌〈同時性、異時性〉
b. 潜在がん
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