G. MRI の画質特性
a. コントラスト (2017 26)
撮像法 |
特徴 |
高信号になるもの |
低信号になるもの |
T1強調 画像 |
T1値が短いほど高信号となる |
「脂肪」「高蛋白」 「メラニン」「常磁性体」 「(亜急性期出血)」 「(淡い石灰化)」 |
「水(脳脊髄液)」 「多くの病変部位」 |
T2強調 画像 |
T2値が長いほど高信号となる |
「水(脳脊髄液)」 「多くの病変部位」 「超急性期出血」 |
「急性期出血」「慢性期出血」 「石灰化、骨皮質」「ガス」 「メラニン」 |
拡散強調 画像 |
高b値画像とADCマップの 組み合わせで脳梗塞の診断をする |
「急性期脳梗塞」 「膿瘍」「脳炎、脳症」 |
「水(脳脊髄液)」「脂肪」 「T2強調画像で低信号のもの」 |
b. 空間分解能
c. 信号雑音比〈SN比〉
d. ひずみ、均一性
e. 撮像時間、画質
H. MRI の造影剤
a. 種類、特性
・Gd-DTPA、Gd-EOB-DTPA
:常磁性体(外部磁場と同じ方向に磁化される)を用いた造影剤
・SPIO
:超常磁性酸化鉄コロイド(磁化率が高く周囲にT2短縮効果を与える)を用いた造影剤
I. 安全管理
a. 磁性体の取り扱い
b. 禁忌物の取り扱い (2017 24、2016 38、2012 33)
禁忌:「人工内耳」「ペースメーカ」「強磁性体」「脳動脈クリップの一部」「1970年以前の人工心臓弁」
原則禁忌:「妊娠初期」 *胎児への影響は報告されていない
c. 比吸収率<SAR> (2012 27)
RFによって人体に生じた渦電流のジュール熱を、SAR(質量あたりの熱吸収比:W/kg)で評価する。
SAR∝(電気伝導度)×(球体の半径)2×(静磁場強度)2×(フリップ角度)2×(RFパルス数)×(スライス枚数)
SARの低減方法:「TRを大きくする」「ETLを少なくする(高速SEのとき)」
QD型送信コイルは、約1/2倍のSAR、SNRは√2倍
・火傷の危険性
:リード線などの導電金属がループを作ると火傷する場合あり
同様に患者が手や足を組んで電流ループができないようにする
入れ墨、金属を含む湿布なども注意する
d. 末梢神経と心臓への刺激〈dB/dt〉
・傾斜磁場の騒音
:傾斜磁場コイル電流のオンオフによって発生
被検者を不快にし、対話困難.可逆性聴力損失
高速撮像のため高い傾斜磁場の能力が必要
静磁場強度が低いほど騒音が小さい
コイルのひずみも影響する
・JIS規格で上限値のあるもの:SAR、傾斜磁場出力 (2016 38)
e. 管理操作モード
通常操作モード :いかなる出力も大丈夫 :B0≦2T
第一次水準管理モード:稀に危険がある :2T<B0≦4T
第二次水準管理モード:いくつかの重大な危険がある:4T<B0
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