d. 拡散強調撮像法 (2013 24)
ブラウン運動の強さを信号強度に反映
基本的に異物(悪いもの)は高信号
e. MR スペクトロスコピー〈MRS〉 (2015 26)
共鳴周波数の差から分子の種類や量を分析(スペクトル表示)する方法
均一性が重要でシミングが必須
高静磁場→化学シフトが大きい→周波数差が大きくなる→分解能が高くなる
MRIで用いられる核腫と共鳴周波数
核腫 |
1H |
13C |
19F |
23F |
31P |
共鳴周波数[MHz/T] |
42.58 |
10.71 |
40.10 |
11.26 |
17.24 |
水と脂肪の共鳴周波数の差は約3.5PPM(1.5Tの場合220〔Hz〕÷63.8〔MHz〕×10-6=3.4ppm)
水と脂肪の周波数差(1.5T):220Hz (静磁場強度に比例して大きくなる)
磁場の強度が大きいほどケミカルシフトは大きい
f. 機能的MRI〈fMRI〉
g. 最新技術
F. 抑制技術
a. 領域抑制
b. FLAIR
c. 脂肪抑制 (2017 36、2015 記述、2014 22)
1.CHESS法 周波数差法 またはFat Sat法
周波数選択的脂肪抑制法:事前に脂肪の信号を抑制し、脂肪と水を両方励起する
周波数選択的水励起法:水の周波数だけに90°パルスを与えて励起する方法
さまざまなシーケンスで使用可能で、制限が少ない
高い静磁場均一度が必要でFOVに制限がある
2.Binominal(二項)パルス法
与える強度を複数等分にして、水の周波周期のときだけ90度パルスが、倒れる方向にかかるようにする
3.GRE法を利用した方法:Dixon法(位相差法)(in phase and opposed phaseを用いた)
水の脂肪の周波数が違うと信号がエコー時間によって波打つ
水と脂肪が同位相のもの (In Phase)、脂肪の信号が抜かれたもの(Opposed Phase)を連立式で計算し、水だけ、脂肪だけの画像を得る手法
短いエコー時間で信号を得ると①血管を映し出せる②水と脂肪を区分けできる
1.5Tでは4.5msで一致し、2.3msと6.8msで逆位相となる
使用可能シーケンスに制限がある
FOVの制限が少ない
・インバージョンリカバリを利用した手法
STIR法:IRのところを参照
○インバージョンリカバリ(IR) (2015 記述)
スピンエコーよりもはるかに強いT1強調像を得ることができる
最初に180°パルスを使用する
スピンエコーでは正の部分を利用するが、IRでは絶対値演算は行わず、実数成分だけを用いて画像を作り、マイナスの範囲も含めた大きなコントラストをそのまま横磁化にして信号をスピンエコーで得る
・FLAIR
:Fluid attenuated inversion recovery(水信号抑制)
水抑制T2強調像
IR法を使用して長いT1の水信号を抑制したT2強調像を得る方法
自由水のみが無信号で、脳腫瘍の観察に適している
・STIR
:Short TI inversion recovery(脂肪抑制)
脂肪抑制T1強調像
低磁場の装置やシミングが困難な部位でも使用可だが、撮像条件が限定される
血腫や常磁性造影剤濃染組織の信号も抑制可能
静磁場の均一性の影響が少ないため、FOVに制限が少ない
コントラストに制限がある
脂肪選択性ではないことに注意
→ 「チョコレート嚢胞」「血液のある嚢胞」も低信号となる
コメント