E. 肺血流、肺換気シンチグラフィ
(2015 47)
a. 使用薬剤
〈Tc-99m-MAA〉:肺血流シンチグラフィ
〈Kr-81m〉〈Xe-133〉:肺換気シンチグラフィ
〈Tc-99m-ガス〉〈放射性エアロゾール(DTPAorHSA)〉:肺吸入シンチグラフィ
b. 主な対象疾患〈肺塞栓症、右左心内短絡、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患〉
c. 区域性血流欠損
d. 換気血流ミスマッチが有用な対象疾患
:「肺塞栓症」「肺癌」「大動脈炎症候群」
F. 心筋シンチグラフィ
(2017 36、2016 33 37、2014 45、2013 43)
a. 心筋血流、心筋脂肪酸代謝、心筋交感神経機能 b. 使用薬剤
c. 主な対象疾患 d.
心筋viability e. 心電図同期収集〈QGS〉 f. 左室壁運動評価
g. 運動負荷、薬剤負荷 h.
心縦隔比
|
タリウム201TlCl |
99mTc |
99mTc |
集積機序 |
能動輸送(Na-Kイオン交換) |
受動拡散、膜電位 |
受動拡散、膜電位 |
投与回数 |
1回投与 |
2回投与 |
2回投与 |
前処置 |
絶食 |
絶食、投与後に摂食 |
絶食、投与後に摂食 |
投与量 |
74MBq |
総計1110MBq |
総計1110MBq |
特徴 |
Tc製剤より心抽出率が高い |
副作用(苦味、金属臭、ショック) |
|
*Tc製剤は再分布現象、洗い出しが見られない
左前下行枝(LAD)領域:「前壁」「中隔」「心尖部」
左回旋枝(LCX)領域:「側壁」
右冠動脈(RCA)領域:「後壁」「下壁」
・心電図同期法(Gated SPECT)
QGSやpFASTによって心機能を評価する
狭心症:再分布が見られる
心筋梗塞:再分布は無い
血流低下部位:洗い出しの遅れ
・運動負荷:トレッドミル、エルゴメーター(自転車)
安静時までは3時間空けて撮像する
運動負荷禁忌:「急性心筋梗塞」「高リスク不安定狭心症」「急性重症心不全」
「肺梗塞」「心膜炎」「重度血管病変」
・負荷薬剤:「ジピリダモール[ペルサンチン](冠血管拡張による虚血の評価)」
「アデノシン」
薬剤禁忌:「気管支喘息」「呼吸不全」
・定量解析:「Bull`s eye(ポーラーマップ)」
○その他心臓の関係のシンチグラフィ検査
(2015 48、2014 45 47、2013 43 44)
|
薬剤 |
集積機序 |
特徴 |
心筋脂肪酸代謝 |
123I-BMIPP |
脂肪酸としてミトコンドリアに取り込まれる |
α、β酸化を受ける 前処置:2時間以上の絶食 |
★心筋交感神経 |
123I-MIBG |
ノルエピネフィリンと同様に取り込まれる |
パーキンソン病と認知症(レビー小体病)で集積低下 前処置:交感神経刺激物の摂取制限 |
★障害心筋 |
99mPYP (ピロリン酸) |
壊死細胞ミトコンドリア内のカルシウムに沈着 |
急性心筋梗塞病変と炎症細胞を陽性像で描出 201Tlとの同時収集で部位の固定 |
111In-抗ミオシン抗体 |
細胞膜破綻によるミオシン重鎖への結合 |
特異性が高く、長く梗塞部位に存在する |
*心プールシンチでは投与は急速静注にて行う、運動負荷で心臓の予備能評価を行う
ファーストパス法や平衡時法で撮像する
*H/M比(心臓/縦隔比):123I-BMIPP、123I-MIBGなどで用いられる解析方法
G. 肝受容体、肝胆道シンチグラフィ
(2013 41 45、2012 48)
a. 肝細胞機能、胆道通過性 b.
使用薬剤 c. 主な対象疾患〈肝硬変、閉塞性黄疸、胆石、胆汁漏〉
○肝受容体シンチグラフィ
「99mTc-GSA」
★集積機序:異常は基本的に陰性像として描出
正常肝細胞は、アシアロ糖タンパクのガラクトース残基を認識して特異的に摂取する
GSAは天然のASGPと生理的に等価にASGP受容体に取り込まれ、正常肝細胞以外には集積しない
・前処置:「安静」「検査六時間前より絶食」
・解析方法―肝集積量指標 :時間放射能曲線を得て、求める
1)血中停滞率指標(HH15) HH15=H15/H3(Normal:0.537±0.037)
肝機能が良ければ数値が下がる
2)肝摂取率指標(LHL15) LHL15=L15/(L15+H15) (Normal:0.914±0.017)
H15:心臓の15分後の値 L15:肝臓の15分後の値
肝機能が良ければ数値が上がる
○肝胆道シンチグラフィ(肝臓、胆のう、胆道)
・薬剤「99mTc-PMT」
・集積機序:肝細胞に取り込まれた後、胆汁として胆道系に移行する
・洗い出しの速度:PMT>GSA
・前処置:食事制限
・解析法:肝臓全体に関心領域を設定し、(ヘパトグラム)時間放射能曲線を算出
・負荷試験:胆嚢収縮機能検査でダイアン顆粒やセオスニンにて胆汁排泄の評価する
・診断:肝細胞の胆汁排泄機能、胆道の開存状態(急性胆嚢炎、黄疸、先天的胆管異常など)
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