造血器
診断に必要な正常X 線解剖と正常像
a. 骨髄
b.
脾臓、胸腺
○脾臓 (2012 07)
・場所:左の上腹部、胃の後ろ、横隔膜の下、左腎の外側
・形状:長さ12cm、幅7.5cm、厚さ5cm
・働き:血球の破壊、貯蔵
○胸腺
胸骨の後ろ、心臓の前に位置する
心臓に乗るように存在する
c. リンパ節〈領域リンパ節等〉(2012 9)
リンパ液を回収し静脈に戻し、
異物を塞き止める
*総腸骨リンパ節までが骨盤内リンパ節
○胸管 (2013 09、2012 6)
下半身と左上半身のリンパを集めるリンパ管
第二腰椎付近から始まり、
左鎖骨下静脈と内頚静脈の合流点で静脈に入る
○リンパ組織 (2017 13、2014 19、2013 15、2012 20)
・一次的(中枢性)リンパ組織(器官)
:「胸腺」「骨髄」
→ リンパ球の増殖分化の場
・二次的(末梢性)リンパ組織(器官)
:「リンパ節」「扁桃」「脾臓」「腸管」「リンパ組織」
→ 抗原に対する免疫返答の場
・リンパ球:白血球の1種で、リンパと共に全身をめぐり、感染症などに対する免疫機構の中で働いている。
多能性幹細胞 |
→ |
リンパ系幹細胞 |
→ |
Tリンパ球 |
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→ |
Bリンパ球 |
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→ |
骨髄系 幹細胞 |
→ |
巨核芽球 |
→ |
巨核球 |
→ |
血小板 |
→ |
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→ |
骨髄芽球 |
→ |
骨髄球 |
→ |
かん状核球 |
→ |
好塩基球 |
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好酸球 |
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好中球 |
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→ |
単芽球 |
→ |
前単球 |
→ |
単球 |
→ |
マクロファージ |
Bリンパ球:骨髄で成熟する、体液性免疫で働く、分化して形質細胞となり抗体を産生する
Tリンパ球:サイモシンの内分泌により胸腺で成熟する、細胞性免疫で働く(移植免疫など)
ヘルパーT細胞:「B細胞・キラーT細胞・マクロファージを活性化させる」
ナチュラルキラー細胞:「細胞性免疫を担当」
好塩基球:「ヒスタミン不活性化」「アレルギー反応に関係」白血球の2%を占める
好酸球:「貪食能」「アレルギー疾患で増加」「ヒスタミン遊離」白血球の7%を占める
好中球:「病原体の貪食」「細菌感染で増加」白血球の50~70%を占める
マクロファージ:「病原体の貪食」白血球の10%を占める
○血球等の標準値
赤血球:500万/mm2
白血球:6000/mm2
血小板:25万/mm2
ヘモグロビン:15g/dl
へマクリット値:45%
異常像の読影とその分析
A.
悪性リンパ腫 (2017 20 、50)
a.
ホジキンリンパ(HL)腫
全リンパ腫の4~10%で、HRS細胞やLP細胞という腫瘍細胞が増殖する
若年者と中年層に多く見られ、長期生存が見込まれる
30~40Gy/15~20回
○放射線治療
・IFRT:化学療法併用の照射方法
・EFRT:放射線単独の照射方法
上半身-マントル照射
下半身-逆Y字照射
b.
非ホジキンリンパ腫
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WHO分類 |
限局期 |
進行期 |
低 悪性度 |
濾胞性リンパ腫Ⅰ、Ⅱ 辺縁帯B細胞リンパ腫(MALT) 形質細胞腫 |
根治的放射線治療 |
緩和的放射線治療 |
中高 悪性度 |
濾胞性リンパ腫Ⅲ:多 マントル細胞リンパ腫(B細胞) びまん性大細胞型B細胞リンパ腫:多 未分化大細胞リンパ腫(T細胞):多 末梢性T細胞リンパ腫 節外性NK/T細胞性リンパ腫鼻型 |
薬物療法後の地固め放射線治療 |
薬物療法後の地固め放射線治療 or 血管細胞移植のためのTBI 緩和的放射線治療 |
高 悪性度 |
前駆B/Tリンパ芽球性リンパ腫 バーキットリンパ腫(B細胞):多 |
薬物療法後の地固め放射線治療 or 血管細胞移植のためのTBI or 緩和的放射線治療 or 予防的全脳照射 |
・皮膚原発性悪性リンパ腫
B細胞リンパ腫では低悪性度が多い
・菌状息肉腫 (T細胞リンパ腫の一種) (2017 29)
リンパ節転移のない限局性病変に対しては電子線を用いた局所照射
全身に拡がった皮膚病変には電子線を用いた全身皮膚照射(Total Skin Electron Beam therapy)
・MALTリンパ腫
粘膜に関連したリンパ組織の中のB細胞が腫瘍化する非ホジキンリンパ腫
消化管に多く、そのうちの大半が胃に集中しており、胃の悪性リンパ腫の約40%を占める
唾液腺や甲状腺のMALTリンパ腫は自己免疫疾患を合併している割合が高い
B. 骨髄腫
a. 形質細胞腫b.
多発性骨髄腫
C. 白血病(全身照射)
a. 造血幹細胞移植における全身照射
D. 炎症
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