異常像の読影とその分析
肺癌 (2015 26、2012 24 57)
○病理組織型 (2013 25、2012 24)
治療のための組織型では小細胞癌と非小細胞癌にわけて考える
・腺癌
:男性で50%、女性では70%
抹消型が多い、GGO陰影が特徴
・扁平上皮癌
:30%
肺門部型が多い、空洞影が特徴
・小細胞がん
:15%
中枢型が多い
・大細胞癌
:抹消型が多い
*放射線感受性;小細胞がん>非小細胞がん
A.
非小細胞肺癌 (2017 45、2016 46、2014 59)
・治療の第一選択は手術
・予防照射領域:通常分割法では1.8〜2 Gy
/40〜50
Gy
・GTV とそのマージン:60 Gy/30 回/6 週以上の線量
・I-II 期:1
回1.2〜1.5 Gy
の過分割照射や3 次元照射での線量増加
・早期肺門癌:192Irの低線量率密封小線源を用いた腔内照射
a. 定位放射線照射(2012 57)
・末梢型Ⅰ期例
:原発巣のみへの45〜60 Gy/3〜10 回(48Gy/4回が多い)の短期高線量照射
腫瘍が縦隔に近接し,大線量が正常臓器に照射される場合は不適応
b. 化学放射線療法
:手術不能で根治的胸部放射線治療が可能な局所進行非小細胞肺癌
「N2IIIA期」 「手術不能I-II
期症例」
「多発リンパ節転移を除くIIIB
期の局所進行癌」
・局所進行癌に対する術前照射
:肺尖部胸壁浸潤型T3-4N0M0では化学療法との併用も含めて推奨
I-II
期例には推奨されず
B.
小細胞肺癌(SCLC) (2017 45、2016 46、2012 54)
LD:限局型 ED:進展型
a. 化学放射線療法
手術可能なI
期症例を除くLD-SCLC に対しては化学放射線療法が標準
加速過分割照射法45Gy/30 回/3 週が推奨
不可能な場合は通常分割照射法50〜60Gy/25〜30 回/5〜6 週
化学療法併用のため、通常分割照射法で40
Gy,加速過分割照射で30〜36 Gy
で脊髄を照射野からはずす
b. 予防的全脳照射(PCI)
初期治療でCR
が得られた症例にはLD,ED を問わずPCI
が標準治療
25 Gy/10 回
C.
その他の胸部腫瘍
a.
胸腺腫、胸腺癌 (2016 46)
○胸腺腫
:Ⅰ~Ⅲ期までは手術が第一選択、Ⅱ~Ⅲ期は術後照射
○胸腺癌
:胸腺腫がより悪性になったもので、集学的治療で行う
b.
胸膜中皮腫
D.
炎症〈浸潤影、シルエットサイン等〉
本来見えるはずの境界線が不明瞭になる現象
・バタフライ陰影
心不全にまつわる所見
・空洞影(2014 32)
感染症(結核、真菌など)、肺膿瘍、肺がんなどの所見
・すりガラス陰影(GGO) (2017 28)
間質性肺炎または肺がん(腺癌)
・結節影 (2012 34)
原発性肺がんや、大腸がん、腎がんなど他の部位からの転移、結核、肺真菌症(カビで起こる病気)、非結核性抗酸菌症、陳旧化した肺炎、良性腫瘍(過誤腫など)など
・ブラ
肺胞の隔壁が決壊し、空間になっているもので、気胸の原因となりうる
E. 肺気腫、肺線維症〈透過性亢進、蜂窩状肺等〉 (2013 35)
F. 胸水、気胸〈液面形成等〉
G. 心肥大〈心房中隔欠損、心室中隔欠損等〉
H. 大動脈瘤〈真腔、偽腔、真性動脈瘤等〉
I. 奇形〈ファロー四徴症、エブスタイン奇形等〉
・下肢血栓症:下大静脈フィルター術
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