頭頸部
診断に必要な正常X 線解剖と正常像
a. 鼻腔、副鼻腔
○副鼻腔 (2014 04)
前頭洞 + 篩骨洞 + 上顎洞 + 蝶形洞
b.
口腔 (2014 04)
舌 + 口腔底(舌と歯ぐきの間)+ 上下の歯肉(歯ぐき)+ 頬粘膜(頬の内側)+ 硬口蓋(口の天井)
c.
咽頭〈傍咽頭間隙、咽頭後リンパ節〉 (2014 02 04、2012 04)
○上咽(鼻の奥でのどの上の方)
○中咽頭(口をあけたときに見える場所)
上壁:軟口蓋
側壁:口蓋扁桃(扁桃腺)
前壁:舌根
後壁:のどちんこのところ
○下咽頭(食道の入り口)
左右:梨状陥凹 (好発部位)
喉頭のすぐ背中側:「輪状後部」
d.
喉頭
:咽頭の下、気管の上に位置する
e.
眼窩
○視覚器について (2014 03)
・外眼筋 (2016 01)
名称 |
上直筋 |
下直筋 |
内側直筋 |
外側直筋 |
上斜筋 |
下斜筋 |
動作 |
上内側 |
下内側 |
内側 |
外側 |
下外側 |
上外側 |
・眼の感覚神経 (2013 02)
・眼窩の構成骨
:「上顎骨」「前頭骨」「蝶形骨」「し骨」「涙骨」「口蓋骨」 (2012 02)
・涙腺
:眼の上外側に位置する
f. 甲状腺
左葉、右葉、中葉からなり喉頭の頭側にある
・副甲状腺:甲状腺の背側に4つ
g. 唾液腺
h. 聴覚器〈耳小骨等〉
異常像の読影とその分析
頭頚部がんはリンパ節転移しやすい (2016 20)
A. 口腔癌
a. 舌癌、その他の口腔癌
:機能保存のため、放射線治療は有効
○舌癌(口腔がんの50%を占める) (2016 19、2015 56)
手術が主体ではあるが、Ⅰ、Ⅱ期では小線源治療の良い適応
扁平上皮癌がほとんどを占め、舌縁が好発部位
B. 咽頭癌 (2017 45、2016 45、2015 56、2014 52 60、2012 54)
放射線治療:70Gy / 35回
a.
上咽頭癌
:手術困難なことが多く、感受性も高いため(化学)放射線治療が第一選択
唾液分泌障害への影響からIMRTが推奨される
Ⅰ期:放射線治療単独
Ⅰ期以外:化学療法併用
b.
中咽頭癌
:90%以上の組織型が扁平上皮癌で、リンパ節転移は70%、側壁型が60%
Ⅰ~Ⅱ期:小線源治療を含む放射線単独治療
非切除進行例:化学放射線療法
ヒトパピローマウィルス関連の中咽頭がんは放射線感受性が高い
c.
下咽頭癌
:リンパ節転移が多く、予後不良である
早期例:放射線療法
進行例:手術療法+術後の化学放射線療法
C.
喉頭癌(2017 45、2015 56、2014 60、2013 52)
a. 声門癌(70%)、声門上癌、声門下癌(稀)
扁平上皮癌が大部分を占め、機能保存の観点から放射線治療が第一選択
Ⅲ-Ⅳ期では化学療法併用で有害事象が増えるが、転移が減り、制御率も上がる
4~6MV、60~70Gy/30~35回
急性障害:
★晩期障害:喉頭軟骨壊死は1%以下といわれているが、治療後も喫煙していると多い
*3部位のうち声門癌は転移を起こしにくい
D. その他の頭頸部癌
a. 上顎癌、その他の副鼻腔癌、鼻腔癌
・上顎癌 (2012 29)
3者併用療法が一般的で転移を起こしにくい
治療方法:周囲に高感受性臓器が多いため、IMRTや粒子線治療が推奨される
b. 唾液腺癌
摘出手術が第一選択
c. 甲状腺癌
分化型:悪性度は低い
「手術切除」「転移」またはアブレーションのための内用療法
未分化型:予後不良
・目瞼MALT:限局期であれば放射線単独
E. 炎症
C. 外傷
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