e. 自動露出制御装置 (2013 21)
被写体投下後のある領域のX線を検出、その量に応じて照射条件(管電圧・管電流・照射時間)を自動制御
・制御対象
撮影:「照射時間」
透視:「管電流」「管電圧」
X線CT:「管電流」
・X線検出部の位置
→ 検出方法により管電圧に対する写真濃度への影響が異なる
1)前面検出方式
:→被写体→[X線検出部]→カセッテ(胸・腹部・骨など)
フィルム透過前のX線を検出するため、X線検出部自身の自己吸収や厚みによる影響がある
管電圧が低いほど写真濃度は低下
★2)後面検出方式
:→被写体→カセッテ→[X線検出部](乳房撮影)
カセッテの自己吸収の影響が大きい
管電圧が低いほど写真濃度は上昇
・重要な特性
1)被写体厚特性
被写体厚が厚いほど撮影時間は長い・画像が暗い
短時間撮影領域では悪い
2)管電圧特性
X線検出方法に影響される
管電圧が低いほどフィルム濃度に影響を与える
X線検出部用の蛍光体の線質依存性は写真濃度に影響する
3)散乱線特性
散乱線の含有量による影響。一般に写真濃度が低下する
★4)応答時間(照射開始からX線管への電力供給が停止するまでの時間)特性
最短応答時間(X線斜断信号を出せる最短時間)と応答遅れ時間(実際にX線が斜断されるまでの動作遅れ時間)で決まる
応答時間は一定のため、撮影時間が短いほど写真濃度は上昇する
主回路開閉器の応答に左右される
被写体厚の薄い所で影響が大きい
(ただし、現在はサイリスタを使用しているため、ほとんど影響は無い)
5)被覆特性
採光野に占める高吸収体(造影剤や厚い被写体)の占有面積が大きくなると、検出器に入射する線量率が極端に小さくなり、適正な線量が得られない
・バックアップタイマ
:自動露出機構の動作不良時に対応するための最大撮影時間。
指定のX線負荷(負荷時間)に達した時、照射を終了させる
f. 診断用X 線装置システム
C. 画像センサ
a. フィルム/スクリーン系
b. I.I.〈イメージインテンシファイア〉
○DF(≒DSA)装置 (2015 23、2013 29)
・I.I.の構造
入力窓:硼珪酸ガラス,アルミニウム,チタニウム
★入力蛍光面:CsIの微細柱状構造(厚み400μm)
(横方向への光散乱防止)
蛍光体にはCsI:Naを用いる
出力蛍光面:硫化亜鉛系(Zn、Cd)S:Ag
・入力蛍光面・出力蛍光面が厚い
→ 高感度になりX線– 光変換効率が向上する
光の拡散によるボケ増加で、空間分解能が低下
・可変視野形I.I.では、入力視野を小さくすることにより、出力像を拡大表示できる
★サブトラクション処理 (2015 記述 23)
1)時間差分法
:連続的にマスク像とコントラスト像を収集・処理して表示する
2枚の画像間に時間的な隔たりがあり、マスク像とライブ像がずれた状態で差分されモーションアーチファクト(ミスレジストレーション)が生じる
→ リマスキング処理が有効
2)エネルギー差分法
:異なったエネルギーで撮影した画像間でサブトラクションを行う
★画像処理 (2015 23、2013 66)
1)アーチファクト補正処理
リマスキング処理:体動などのずれに対しその後の像をマスク像として処理する
2)画像加算
:ノイズ低減のため時間フィルタにより画像を改善
リカーシブルフィルタ処理:前の画像に遡り、次第に小さい値をかけて加算する
ノイズを低減する
・オーバーチューブ型(管球が上、検出器が下)
患者の被ばくが少ない、手技が行いやすく、汎用性が高い
術者の被ばくが多い、任意の方向からの撮影には限界が多い
・アンダーチューブ型(検出器が上、管球が下)
検出器が近いと手技が行いにくいことがある(遠ざけると画質が低下する)
術者の被ばくが少ない
c. CCD〈電荷結合素子〉、CMOS〈相補性金属酸化膜半導体〉
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