3. 放射線の生物影響、リスク
A. 影響の分類
a. 対象
b. 発現時期
c. 線量、線量率 (2016 記述、2014 12、2013 77、2012 13)
線量・線量率効果係数(DDREF)
:LNTモデルの高線量域とのズレを修正するため、
低線量でのリスクを推定するために用いられる係数で、2とされる
同線量の高線量率の効果 = 同線量の低線量率 × 2
B. リスク評価(発がん)
a. 確率的影響、確定的影響
○確率的影響 (2016 22)
・がん
原爆被爆者で、発がんの増加が確認されている
白血病はLQモデル、他の固形がんはLモデルに適合
潜伏期:白血病では最小2年、ピークは6~7年
他の固形がんでは最小10年
・遺伝的影響
原爆被爆者では有意な増加は認められていない
・リスク
白血病は絶対リスク予測モデル(線量に比例)-年齢にかかわらず一定
他の固形がんは相対リスク予測モデル-高齢で高リスク
絶対リスク:単位線量当たりの発生数
→相加予測モデル
相対リスク:被ばく集団発生率÷コントロール集団発生率
→相乗予測モデル
がんのリスク係数 |
低線量率の名目リスク係数 |
|
|
がん |
遺伝的影響 |
全集団 |
5.5%/Sv |
0.2%/Sv |
・LNT(閾値なし直線)仮説 (2016 記述、2012 13)
放射線の被ばく線量と影響の間には、しきい値がなく直線的な関係が成り立つという考え方
一定線量より低い放射線被ばくではがんなどは生じず、LNTモデルは現実に合わず過大評価となる可能性
*100mSv以下では有意な確率的影響は確認されていない
○確定的影響
→ 4.放射線腫瘍学総論
b. 身体的影響、遺伝的影響
c. 早期反応、晩発反応
d. 胎児期の被ばく
e. 疫学データ
f. 線量反応関係
g. 時間的発現分布
h. 修飾因子
i. 低線量影響
C. リスク評価(遺伝的影響)
a. 疫学調査
b. 動物実験
c. 直説法、倍加線量法 (2012 69)
・間接法(倍加線量法) (2012 69)
自然突然変異率の2倍を発生させるに要する放射線被曝線量
人間の場合は0.2~2Gy
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