4. 線量の分類
A. 物理量
a. 吸収線量、空気カーマ、その他
B. 防護量
a. 臓器平均吸収線量
b. 等価線量
c. 実効線量
○防護量の単位と定義 (2017 19、2015 記述、201 15)
防護量:人体に対し定義される線量
実際には測定することができないため、コンピュータを用いて使用する
名称 |
単位 |
定義 |
線量当量 |
J・kg-1 =Sv |
=(ある点における吸収線量)×(線質係数) 放射線の種類、エネルギー入射方向を決定し、人体モデル(コンピュータファントム)に 照射する |
等価線量 |
J・kg-1 =Sv |
ある組織・臓器にわたって平均し、線質について荷重した吸収線量 =Σ((ある組織・臓器の一点における吸収線量)×(放射線加重係数)) 各臓器の吸収線量を計算し、放射線加重係数を乗じて等価線量を計算する |
実効線量 |
J・kg-1 =Sv |
=Σ((等価線量)×(組織加重係数)) 等価線量に組織加重係数を乗じて、すべての臓器について合算し、実効線量を算出する |
*個人固有の線量ではなく、職業被ばく、公衆被ばくのためで、ある状況の標準人の線量を示す
*外部被ばくによる等価線量や実効線量を直接的に測定することはできないため、実用量が用いられる
C. 実用量
○実用量の単位と定義 (2016 23、2015 記述、2014 15 19 78、2013 13)
実用量:線量測定・評価のための計測量(エリアモニタリング・個人モニタリング)
名称 |
単位 |
定義 |
周辺線量当量 (場所のモニタリング) |
Sv |
ある一点に全方向から来る放射線を整列・拡張した場にICRU球を置いたとき、整列場方向に半径上の深さdmmにおいて生ずる線量当量 |
方向性線量当量 |
Sv |
線量計の角度依存性を表すのに用いられる線量当量 |
個人線量当量 (個人のモニタリング) |
Sv |
スラブファントムを用いて測定する人体上のある点における軟組織の深さdにおける線量当量 |
*実効線量 → 1cm線量当量
等価線量 皮膚 → 70μm線量当量
水晶体 → 70μmまたは1cm線量当量
その他 → 1cm線量当量
D. ファントム(2014 19)
a. ICRU 球
サーベイメータで測定すべき基準線量の決定のため、人体組成を模擬した直径30cm、密度1g/cm3の球体
b. ICRU スラブファントム
個人線量で測定すべき基準線量の決定のため、30×30×15cmのプラスチックファントム
c. MIRD ファントム
d. ボクセルファントム
e. 校正用ファントム
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