E. 放射線影響と線量
a. 線質係数
:ある点におけるLETの関数
b. 放射線加重係数
:低線量における確率的影響を考慮した係数
・光子、電子、µ粒子:1
・陽子、荷電π中間子:2
・α粒子以上の重粒子:20
・中性子:連続関数
c. 損害
d. 組織加重係数 (2016 29、88 2015 14 2013 14 19、2012 18)
:名目リスク係数に基づく。均一被ばくによるものを考慮している。
Report 2007で、生殖腺は0.2から0.08へ、乳房は0.05から0.12へ変更された
また、脳と唾液腺が追加された
・組織名 組織荷重係数
「骨髄」「結腸」「肺」「胃」「乳房」「その他」:0.12
「生殖腺」 :0.08
「膀胱」「肝」「食道」「甲状腺」 :0.04
「皮膚」「骨表面」「脳」「唾液腺」 :0.01
・その他に含まれるもの
:「副腎」「小腸」「腎臓」「筋肉」「膵臓」「脾臓」「胸腺」「ET領域」
・2007年勧告から「その他」に追加されたもの
:「子宮」「胆のう」「心臓」「リンパ節」「口内粘膜」「前立腺」「気管」
e. 臓器吸収線量
f. 等価線量、実効線量、預託線量、集団線量 (2013 17)
預託等価線量 |
RI摂取後にある期間に与えられる等価線量の時間積分値 期間が不明な場合、成人は50年、子供は摂取時から70年とする |
預託実効線量 |
等価線量率の代わりに実効線量率をとったもの 摂取した放射能×実効線量係数 |
集団実効線量 |
単位はJ/kgまたは人・シーベルト(man・Sv) 防護の最適化のため、職業被ばくに関して導入された |
F. 防護の流れ
a. 正当化 (2017 記述)
:3つの被ばく状況全てに適用する
・行為の正当化のための方策: 3つのAの導入(IAEA)
Awareness(医療関係者と患者双方の正しい認識)
⇒コミュニケーション,インフォームド・ディシジョン
Appropriateness(検査の適切性の保証)
⇒照会ガイドライン
Audit(正当化の状況に関する監査)
⇒医療監査
・正当化のレベル(ICRP report 2007)
:レベル1「放射線の利用自体の正当化」
レベル2「その症状に対する正当化」
レベル3「その個人に対する正当化」
b. 最適化
:3つの被ばく状況全てに適用する
c. 線量限度 (2016 26 84、2015 77 記述、2013 72、2012 73)
:計画被ばく状況にのみ適用する
○個人被曝の線量限度 |
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★職業人 |
一般公衆 |
緊急時 |
★評価値 |
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実効線量 |
100mSv/5年 and 50mSv/年 |
1mSv/年 |
100mSv |
1㎝H |
女子 |
5mSv/3か月 |
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||
妊娠女子 |
内部被ばくについて1mSv/妊娠中 |
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等価線量 水晶体 |
150mSv/年 |
15mSv/年 |
300mSv |
70μor1cmH |
皮膚 |
500mSv/年 |
50mSv/年 |
1Sv |
70μmH |
妊娠中の女子の腹部表面 |
2mSv/妊娠中 |
1㎝H |
*ICRP 2011 report:水晶体は100mSv/5年、かつ50mSv/年
胚/胎児に対して1mSv
○場所の線量限度、濃度限度、密度限度
(2017 84、2015 77、2014 77 80、2012 75 79)
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外部線量(実効線量) |
空気・排気中濃度 |
排水中濃度 |
表面密度 |
使用施設内の居住区域 (人が常時立ち入る所) |
≦1mSv/週 |
一週間平均濃度≦ 空気中濃度限度 |
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≦表面密度限度 |
管理区域の境界 ≒管理区域の定義 |
≦1.3mSv/3か月 |
3ヵ月平均濃度≦1/10空気中濃度限度 |
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≦1/10表面密度限度 |
病室 |
≦1.3mSv/3か月 |
|
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病院・診療所の居住区域 |
≦250μSv/3か月 |
|
|
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病院・診療所の 敷地の境界 |
≦250μSv/3か月 |
3か月平均濃度≦ 排気中濃度限度 |
3か月平均濃度≦ 排水中濃度限度 |
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○表面汚染
α線放出体:4(Bq/cm2)
非α線放出体:40(Bq/cm2) (2016 85)
G. 2007年勧告、1990年勧告
a. 被ばく状況
b. 正当化
c. 最適化
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