A. 物理的過程
a. 電離 b. 励起
c. 線エネルギー付与〈LET〉[keV/µm] (2017 55、2016 58、2015 61、2014 61、2012 61)
・低LET放射線:「X・γ線」「β線」「電子線」「陽子線」
間接作用による1本鎖切断がメイン(70%程度)
・高LET放射線:「α線」「中性子線」「重イオン線」
直接作用による2本鎖切断がメイン
○RBE (2017 55、2015 63 68)
「ある効果を得るのに必要な基準放射線の吸収線量」
RBE=――――――――――――――――――――――――
「同じ効果を得るのに必要な試験放射線の吸収線量」
「生物学的効果」「生物の種類」「線量率」「酸素濃度」「生理的条件」「増感剤」によってRBEは変化する
・基準放射線:放射線医学では250keVのX線
それ以外は60Coγ線
・炭素線のRBE:2~5 陽子線のRBE:1~1.1
○OER (2015 64、)
「無酸素下である効果を得るのに必要な線量」
OER=――――――――――――――――――――――――――
「酸素存在下で同効果を得るのに必要な線量」
○酸素効果(2013 62)
酸素中で物質を照射した方が無酸素中で照射するよりも放射線感受性が高くなること。
照射直前や照射直後に酸素を与えても酸素効果は発現しない。
d. リニアルエネルギー
B. 化学的過程
a. G
値 (2016 51)
放射線分解の収量を表す、放射線エネルギー100eVの吸収当たりの生成化学種の個数
b. ラジカル (2017 51、2016 51)
OH*(ヒドロキシラジカル)が間接作用で主な作用を示す。
G値:7ぐらい
・過酸化水素
過酸化水素は活性酸素の一種ではあるが、フリーラジカルではない。
不安定で酸素を放出しやすく、非常に強力な酸化力を持つヒドロキシラジカルを生成しやすい。
・スパー、スプール:活性分子の集団
c. 生成分子
d. 水和電子 (2015 61)
励起された水分子(H2O*)は開裂してHO・とH・を生じ、水分子から飛び出した電子は他の水分子の間に捕らえられてeaq-を生じる。これが水和電子
e. 酸素濃度 f. 有機分子乖離
C. 生物学的作用の発現—時間スケール別–大きさ別
a. 物理的過程 b. 化学変化 c. 初期損傷 d. 拡大過程 e. 最終効果
a. 原子 b. 分子 c. 細胞 d. 臓器、組織 e. 個体
3. 人体への影響
A. 組織、臓器に対する作用と機能維持
a. 感受性 c. 分裂組織、非分裂組織
d. リスク臓器〔パラレル(並列)臓器、シリアル(直列)臓器〕(2017 59、2014 51、2013 65、2012 65)
・並列臓器:「肝」「肺」「腎臓」
機能損傷に至る線量を照射された部位の臓器全体に占める体積の割合に左右されるため,DVH解析が有効
・直列臓器:「消化器」「脊髄」「中枢気管支」
耐用線量の把握が有効
e. 組織構造〈部分的照射、繊維化、機能低下、幹細胞〉
f. 早期反応 g. 晩期反応 → 医学系まとめノートへ
B. 個体レベルの作用 a. 機能低下 b. 個体死 c. 胎児被ばく d. 発がん
C. 放射線防護の生物学 a. 確率的影響 b. 確定的影響 c. 早期組織反応 d. 晩期組織反応
D. 放射線障害(有害事象)と回復 a. 非回復性障害 b. 回復性障害
コメント