D. 外部照射法、治療計画
a. 定義〈物理的特性、機械的制御(計算機)〉 b. 1 門照射 c. 斜方入射ビーム d. 2 門照射 e. 多門照射 f. ウェッジ、コンペンセータ、ダイナミックウェッジを用いた照射 g. 振子照射 h. 回転照射、原体照射
i. 定位放射線照射
(工学:2016 59 記述、2012 49)
(医学:2016 42 59、2015 53 57、2013 53、58、60、2012 60)
・5~10門以上または、多軌道回転運動照射
・従来の治療よりも大線量を短期間に照射する
○位置精度
固定具の使用、5mm以内の固定精度
固定精度の確認方法 | 対称 | 精度 |
①リニアックグラフィ | 骨格 | 中 |
②EPID | 骨格 | 低 |
③リニアック一体型シミュレータ | 骨格 | 中 |
④CT-リニアックシステム | 骨格and腫瘍 | 高 |
⑤動体追跡装置 | 腫瘍(マーカ) | 高 |
・ベースラインシフト
:呼吸が日間的に予測モデルを超えた変化をすること
・ベースラインドリフト
:呼吸が日内的に予測モデルを超えた変化をすること
○動体追跡照射
追撃照射や追尾照射
○禁忌
・絶対禁忌
:妊娠中
・相対的禁忌
:当該部位への放射線治療の既往
重篤な間質性肺炎,肺線維症、糖尿病、膠原病
ステロイドの常用
○保険適用
「原発性肺癌」「転移性肺癌」「原発性肝癌」
「転移性肝癌」「脊髄動静脈奇形」
「頭頚部腫瘍」「原発性腎癌」「限局性前立腺がん」
ただし、原発性:5cm以内、3つ以内かつ他病巣なし
転移性:5cm以内、かつ他に転移なし
○照射分類
照射法 | SRT(Stereotactic Radiation Therapy) | SRS(Stereotactic Radiosurgery) | ガンマナイフ |
固定方法 | シェル(非侵襲的) | 特殊フレーム(侵襲的) | 特殊フレーム(侵襲的) |
線量配分 | 分割照射 | 1回 | 1回 |
○肺癌定位照射
・エネルギー:6MeV
低密度媒質内にtargetがあるため、リビルドアップ効果により,高いエネルギーほどビーム入射方向の線量が下がってしまう
10MeVより6MeVが適している、
また、低エネルギーだと薄い散乱体でも散乱線がtarget内にとどまるが、低すぎると表面線量が増加する
・照射方法
ノンコプラナー3 次元固定多門照射法やSMART(多軌道回転原体照射)が多い
・治療計画目標値
ターゲット内の線量の均一性(10%以内)
20 Gy 以上照射肺体積(V20)の縮小(<15%)
j. 強度変調放射線治療〈IMRT〉
(2017 55、2013 記述、2012 50)
照射野内にビーム強度の強弱を付け、ターゲットに近接したリスク臓器への線量を減らす方法
○特徴
X線を用いた多門照射
→ 皮膚表面線量の影響は小さい
MLCを用いて照射野の中に任意の強度さをもつ不均一な線量分布を作成する
リスク臓器の障害を抑えつつ、腫瘍組織に高い総線量を投与できる。
○適応
頭頸部(副鼻腔腫瘍,眼窩内腫瘍,中咽頭腫瘍など),前立腺癌、子宮頸癌など
○治療計画
インバースプランニング(目標DVHを定め、照射方法を決める逆方向計画)で行う
・線量計算グリッド
:2 mm 程度の小さな計算グリッドの使用
・線量計算アルゴリズム
:Superposition法やモンテカルロ法などの精度の高いアルゴリズムの使用推奨
○強度変調の方法
(1)吸収体を用いた方法
(2)マルチリーフコリメータを用いた方法
― static MLC法(step-and-shoot 法, 固定リーフ多門法)
― dynamic MLC法(sliding window 法,リ−フ運動制御法)
:照射中にMLCが常時動作しているため,MLC には安定した動作が求められる
オーバーシュート効果が大きくなる(MU値が小さいときに顕著となる)
― Segmental MLC IMRT
:極小で複雑な形状のセグメントを多用し,セグメントのつなぎ目が標的内に多数存在するため,セグメントを形成するMLC の位置精度管理が従来の治療技術と比較してより重要
*interplay effect
:IMRTにおいてMLCの動きと対象の動きのずれにより生じる線量の違いがある
・Rotational IMRT(VMAT)
DMLC IMRTかつガントリーが回転しながら線量率も変化させる
・ガントリ回転強度変調照射法 Helical Tomotherapy
ガントリは三次元照射と同様に患者の周囲を回転し、MLCも合わせて連続的に変化する
しかし、その変化は標的輪郭に一致したものではなく、最適な線量分布を作成するためにコンピュータによって求められた照射野を設定する
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