e. 照射野、等価照射野、出力係数
○等価照射野
(2016 52、2013 50)
・A/P法
長方形面積Aと周囲長Pとの比A/Pが等しい長方形はPDD,TMR,TAR,SF,OPFがほぼ等価であるとする
任意の長方形照射野のみで、不整形照射野には適応できない
・Day法
ビーム中心軸上のデータを使って長方形照射野の任意の点における線量を計算する
計算点を中心に照射野を分割し、それぞれの照射野における線量を計算して足し合わせる
・不整形照射野に対する線量計算(Clarkson 法)
(2016 52)
全体の線量を「一次線による線量(照射野に依存しない)+散乱線による線量(照射野に依存する)」とし、複雑な不整形照射野を分割することで照射野サイズや形に依存する散乱成分を求める
物質中で散乱した線量を計算する目的で散乱空中線量比 scatter-air ratio (SAR) を用いる
ここで、SAR は、自由空間中の任意点の散乱線量とファントム中の同じ点の散乱線量の比で定義される
SAR(d,A)=TAR(d ,A)-ビームの一次線成分TAR(d,0×0)
散乱線量の比ではない
不均質補正アルゴリズムではない
○出力係数(Out put factor)
(2016 57、2014 41、2012 記述)
10×10cm2の照射野サイズの際の線量を1.0として, 照射野サイズが異なったときの線量の比率で表される
照射野の大きさが異なると, 散乱線を生む体積が増減する
照射野が大きければ, 線量が増加、小さければ, 減少する
MU値計算において照射野サイズの影響を加味する項として出力係数がある。
$$OPF(A)=\frac { D(d0、A) }{ D(D0、10×10) } $$
全散乱係数 Scp = Sc × Sp
→ OPF
★コリメーター散乱係数 Sc
ガントリヘッド内(平坦化フィルタ、コリメータ、モニタ線量計)で生まれる散乱線
モニタ線量計に近い上絞りの開度が狭いほど、影響が大きい
・Scの測定方法
コリメータ反転効果係数をいくつかのパターンで求める
★ファントム散乱係数 Sp
水ファントム内(体内)で生まれる散乱線
・Spの求め方
Sp=全散乱係数÷コリメータ散乱係数
*照射野の小さなところでは, Scpに対するScの影響が大きい
○MU(値)計算
(2016 57、2015 43、2013 50)
$$MU=\frac { D }{ DMU×TMR(orTARorTPRorPDD)×OPF[×WF×TF] } $$
DMU:基準深の線量率(cGy/MU)
D:投与線量
SAD一定法ではTMR or TAR or TPR
SSD一定法ではPDD
OPF:出力係数
WF:ウェッジファクタ
TF:トレイファクタ
・MU値に影響する因子
「投与線量 (1門あたりの投与線量cGy)」
「 深さ (深部線量比の値) 」
「照射野の大きさ (出力係数) 」
「ウェッジ フィルタ (ウェッジファクタ) 」
「DMU」
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