消化器
診断に必要な正常X 線解剖と正常像
a. 食道、胃、小腸、大腸〈二重造影法等〉
○食道 (2013 06)
・構成:25~30cmで頸部(入口~胸骨上縁)~胸部(~食道裂孔)~腹部(~胃)の3部位
・生理的狭窄
:「咽頭との接合部」「気管の後ろ」「横隔膜」
内腔側から粘膜、筋層、外膜(重層扁平上皮、粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、外膜)
○胃(2016 26、2015 07)
・小弯に沿って縦走するひだがある
○小腸(2016 7 9、2015 7、2012 07)
・大部分の栄養素は小腸で吸収される
・ファーター乳頭
:主膵管と総胆管が合流した共通管が
十二指腸下行部に開口している部分
・ケルクリング皺襞
:小腸の内壁を構成する輪状ひだ
・バウヒン弁
:回腸と盲腸の境界にある弁
b. 肝、胆道〈肝区域、肝内胆管、肝外胆管〉
○肝 (重さ:1400g)
・肝細胞:2500万個
・区分:計8葉 (1+左3+右4) (2016 05)
右葉と左葉の境界:カントリー線(中肝静脈)
右葉の区分け(前後):右肝静脈
左葉の区分け(内外):肝鎌状間膜
・流入血管は肝動脈(栄養)と門脈(機能) (2016 05、2015 08)
・機能
①血糖値の調節:血糖値(高) ブドウ糖⇒グリコーゲン(肝臓内に蓄える) .
血糖値(低) グリコーゲン⇒ブドウ糖(血液中に放出)
②胆汁を分泌:外分泌腺。肝細胞で生成。量:600~1,200mL/day
③脂肪代謝:脂肪酸の分解、コレステロールの生成
④血漿蛋白の合成:アルブミン、フィブリノーゲンの生成
⑤尿素の合成:オルニチン回路により不要のアミノ酸を分解して尿素を合成
⑥解毒作用:血液中の有毒物質を分解し、胆汁中へ排泄
⑦その他:アルブミンの血液凝固に関与、造血・壊血作用、血液の貯蔵
ビタミンの貯蔵、ホルモンの不活性化、ヘパリン(肝臓ホルモン)の生成など
c.
膵 (2017 04、2015 17、2012 07)
・長さ:15cm
・頭部:ファータ乳頭に下向きで接する
・尾部:脾臓に上向きで接する
・働き:消化作用:消化酵素により栄養素を分解
内分泌作用:インスリンとグルカゴンにより、血糖値を調整する
d.
腹腔
○腹部臓器
★後腹膜臓器 (2017 04)
後腹壁の壁側腹膜より後方に位置する臓器。腹膜により後腹壁に固定されている。この部位の臓器に炎症が起こると腰背部痛が起こりやすいという特徴がある。
「腎臓」「十二指腸」「副腎」「腹大動脈」「膵臓」「下大静脈」「尿管」「胸管」
・腹腔内臓器
腹膜で覆われていない。腸間膜をもっている。
「脾臓」「胃」「小腸(空腸、回腸)」「虫垂」「横行結腸」「S状結腸」「卵巣」「卵管」
・微妙な立ち位置の臓器さん:間膜は持っていないが、奨幕に大半を覆われていている。
「上行・下行結腸」「直腸」「盲腸」「肝臓」
○内分泌系 (2016 03、2012 19)
・外分泌腺
:「汗腺」「脂腺」「乳腺」「唾液腺(顎下腺、耳下腺、舌下線)」「肝」「膵臓」「涙腺」「前立腺」
・内分泌腺(古典的内部分泌腺)
:「下垂体」「甲状腺」「上皮小体(=副甲状腺)」「副腎」「膵臓ランゲルハンス島」「胸腺」「松果体」「精巣」「卵巣」
・内分泌腺(現在)
:「視床下部」「心房」「腎臓」「消化管」「脂肪組織」
○消化液とその作用 (2014 16、2013 17、2012 17)
消化液(pH) |
分泌腺 |
作用場所 |
酵素名 |
加水分解作用 |
唾液 (6~7) 1~1.5L/day |
唾液腺 |
口腔 |
プチアリン (アミラーゼ) |
デンプン→麦芽糖 |
胃液 (1~2) 3L/day |
胃腺 |
胃 |
内因子、塩酸、ガストリン、 レンニン、ペプシン リパーゼ、ペプシノーゲン |
蛋白質と脂肪の分解 食物の殺菌、胃粘膜の保護 |
膵液 (6.7~8) 1.5L/day |
膵臓 |
小腸 |
トリプシン、マルターゼ キモトリプシン ペプチターゼ ステアプシン(リパーゼ) アミロプシン(アミラーゼ) |
ポリペプチドとアミノ酸 脂肪、デンプン、デキストリン 麦芽糖などの分解 |
腸液 (5~8) 2.4L/day |
腸腺 十二 指腸 |
小腸 |
ペプチターゼ(エレプシン) マルターゼ、サッカラーゼ、 ラクターゼ |
ポリペプチドと麦芽糖、ショ糖、乳糖などの分解 |
胆汁 (6.9~8.6) 0.5L/day |
肝臓 |
小腸 |
酵素なし |
脂肪を乳化してステアプシンの働きを受けやすくする 脂肪酸と結合して、吸収されやすくする 蛋白質を凝固させ、分解されやすくする |
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