3.電子密度変換テーブル / 線量計算アルゴリズム

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A. CT 値と線量計算の関係

a. 電子密度測定ファントム

b. 電子密度変換テーブル

 計画CT撮影時の管電圧FOVによって変わる  (2015 50)

B. 線量計算アルゴリズム

a. 補正係数を用いた線量計算  b. 等価照射野の関係  c. クラークソン法

 → 2.線量計測 ― 等価照射野 / 出力係数 / MU値 ― へ

d. CT 値と阻止能  e. ペンシルビーム法とブロードビーム法  f. コンボリューション/スーパーポジション法  g. 不均質補正   h. 電子線ビームの線量計算   i. 小線源の線量計算   j. 粒子輸送方程式 k. モンテカルロ法を用いた線量計算   l. 陽子線、重粒子線、中性子線の線量計算

線量計算アルゴリズム  一次線 散乱線 電子輸送
RTAR △1 × ×
Power law Batho method △1 × ×
ETAR △1 ×
Convolution △1 △1
CCC / AAA / モンテカルロ法

〇:考慮済み
△1:実効長補正のみ 
△2:水として考慮 
×:考慮せず

○実測ベース線量計算法

・TAR 比法 Ratio of tissue-air ratios (RTAR) method
不均質媒体に対する散乱線を考慮しないため、密度が水より大きいと過小、小さいと過大評価する

・Batho べき乗法 Power law Batho method
:照射野510cm2では良い
 不均質層の密度が水より小さいと補正が十分でない

・等価 TAR 法 Equivalent TAR (ETAR)
:計算時間が長い
 側方電子平衡が成立していると精度が高い

○モデルベース線量計算法 

 (2017 32、2013 44)

・カーネルベース線量計算法

 1次線が解放するエネルギー(ターマ)と吸収されるエネルギーの割合(カーネル)の重ね合わせで計算する

1,convolution
:カーネルの位置を不変とし、水中における散乱をモデル化して利用
 光子によるエネルギー輸送の密度依存性のみを補正する(エネルギー吸収過程は考慮しない)
 密度変化の大きい個所では誤差が大きくなる

2,Convolution/Superposition
:ターマもカーネルも変化させる、密度補正したカーネル
 以下実装手段
 2-1,Collapsed Cone ConvolutionCCC)
 :光子が相互作用を起こした点を頂点とする複数の円錐に分割し、各円錐が張る立体角方向へ放出されたエネルギーがその円錐の軸上の体積要素で吸収されるとして近似する
 
 2-2,Anisotropic Analytical Algorithm (AAA) 法
 :異方向性的に散乱カーネルを変化させてモデリングする
  光子用計算モデルを平行な深さ方向成分と垂直な横方向成分に分け、各成分の計算結果を乗算し、任意点において吸収されたエネルギーを計算する
 *不均質領域境界では未だ精度は低い

・モンテカルロ法

 放射線と物質との相互作用の発生する位置や散乱、吸収などの反応の種類、相互作用後の粒子の進行方向やエネルギーなどの確率的に発生する各種物理現象に対して乱数を用いて計算を行う手法
 *不均質領域での精度は非常に高く、その境界部分においても精度は保たれるが、計算に非常に時間がかかる

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