MRIのアーチファクト

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J. アーチファクト 

a. 種類、発生原因、低減法 2017 372016 362015 252013 292012 24

機械トラブルによるアーチファクト

「ゴーストアーチファクト」「ラインアーチファクト」「プリアンプ故障」「傾斜磁場遮断」

「ジッパーアーチファクト」など

 

折り返しによるアーチファクト

・被写体がFOVよりも大きい時に発生、FOVより外の組織が位相エンコード方向に折り返してしまう

・対策

 位相エンコード数を増やす

 FOV外側への飽和パルス(プリサチュレーションパルス)の印加

 FOV広げるSENSEアルゴリズム(パラレルイメージング)

オーバサンプリングの使用、表面コイルの使用

 

データ打ち切りによるアーチファクト(トランケーションアーチファクト)

2次元フーリエ変換時に、信号強度の異なる境界に縞目状に位相エンコード方向に出現

・対策:ピクセルサイズを小さくする。マトリクスサイズを大きくする

位相エンコーディング数を極端に減らさない

生データフィルタをかける(SN比は向上するが,空間分解能は低下する)

高空間周波数データを外挿する(非常に効果的な方法であるが特別なソフトウェアーが必要)

目的部位にアーチファクトが重ならないように位相方向を調整する

 

磁化率アーチファクト(金属(強磁性体)アーチファクト)

体内外の金属などにより、磁化率異なる組織の境界画像の歪み欠損像が生じる

・「アクセサリー」「化粧品」「心電図モニタ」などはRFパルスのチューニングを妨げる

・出現しやすさ EPIGRESEFSE・・・・・180°パルスを用いない撮像法ほど出現しやすい

・因子「静磁場強度」「TE長い」「ボクセルサイズ

リフォーカスパルスを用いない(GRE系列)」

組織間の磁化率の差が(空気や鉄イオンを含む)」・・・・・頭蓋底副鼻腔腹腔内

・対策 1.スピンエコー(低磁場装置)を使用する  

2.エコー時間(読み取り時間)短くする

3.スライス厚を薄くする     

4.周波数帯域幅を広くする

5.空間分解能を上げるFOV縮小するかマトリックス増加する)

 

化学シフトアーチファクト

・共鳴周波数差(ケミカルシフト)

同じプロトンであっても化学環境下の違い(周辺の電子の数)によって磁場の遮へい効果が異なり、静磁場に依存する共鳴周波数が変化する

3.5PPM×10-6)のずれ。

電子が多い(脂肪)

 磁場の影響が小さい

  共鳴周波数が小さい1.5T220Hzのずれ)

脂肪抑制効果は静磁場の均一性に依存し、FOVが大きいと効果が不均一になる

・周波数エンコード方向に出現:「SE」「GRE

・位相エンコード方向に出現:「EPI

高磁場装置に多く見られる

・対策:受信バンド幅を広げる

読み出し方向の傾斜磁場勾配を高くする.(SN比は低下するがサンプリング時間は短縮

ミスレジストレーションアーチファクト

・血液のように動いているものが位相エンコード信号読み取りまでの時間ずれによって位置ずれが起こる

・対処:位相エンコードから読取までの時間短縮位相エンコード方向にリフェイズ用傾斜磁場を印加する

 

モーションアーチファクト(ゴーストアーチファクト)

・原因:患者の体動(眼球や嚥下運動)、呼吸運動、血管・脳脊髄液・心臓の拍動、腸管運動

   (脳脊髄液の流れ・血管・心臓の周期的な拍動・信号強度の増加)

位相エンコード方向に等間隔で出現

・対策:飽和パルス(プリサチュレーションパルス)の印加

対象部位に重ならないように位相エンコード方向を設定

流れ補正用の傾斜磁場を追加する(リフェーズ用の傾斜磁場)

信号加算数を増加する

呼吸同期を行う

心拍同期

 

渦電流アーチファクト

冷却シールド傾斜磁場コイルの間に生じやすい

傾斜磁場コイル近くの導体に誘発されて生じる

・希望する傾斜磁場に拮抗する磁場を形成する

 

クロストークアーチファクト

・マルチスライス法にてスライス間隔が狭い時やスライスを交差して撮像するときに生じる

RFパルスのフーリエ変換が矩形でないため生じる

・スライス厚の境界にはスライス厚の10%程のギャップを設定する

 

位相分散

:高速SE血管(血流)信号に描出される

 

フローアーチファクト
フローボイド現象や
TOF効果により血管の信号強度が変化する

 

その他

・パーシャルヴォリューム効果

RFの浸透性やRFコイルの不均一性

・高速スピンエコーのゴースト

sine/sineゴーストやMaxwell場によるゴースト

マジックアングルアーチファクト

近接するスピン間静磁場が約55度の場合、

双極子結合の時間平均は0になる

靱帯(コラーゲン線維束)の信号強度が変化し、炎症や断裂と誤認する

・スティミュレイティドエコーアーチファクト

:ジッパーアーチファクト,ゴースト,縞状のアーチファクトなど

RFパルスの改善、スポイラーの使用によって抑制可

・トランケーション

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