2.重荷電粒子線 / 中性子線
F. 重荷電粒子線
a. ブラッグピーク、SOBP
(2016 54、2013 42)
・ブラッグピーク
:飛程の直前で吸収線量が急激に高くなるピーク
平均エネルギーの揺らぎ(ストラグリング)が大きくなるとピークは小さくなる
・SOBP:拡大ブラッグピーク
・阻止能:Bethe-Bloch理論式で計算
・distal falloff
:深さ方向の切れを示す指標
陽子線は炭素イオンより軽いため、多重散乱や粒子のエネルギーロスによる飛程の減少(動揺)を起こしやすく切れが悪い
・半影(ペナンブラ)
:粒子線の半影はX線に比べて小さい
○粒子線照射装置
・構成(2017 60、2013 42)
「イオン源」(2016 54)
↓ 陽子線:水素ガス
↓ 炭素線:メタンガス
↓
「加速器」
↓ サイクロトロン、シンクロトロンなど
↓
「側方照射野形成器(ワブラー電磁石+散乱体)」
↓ 回転磁場でX、Y方向に回転させ照射野を平坦化
↓
「線量モニタ」
↓
「リッジフィルタ、Range modulator」
↓ 標的の厚さに合わせて
↓ ブラッグピークの幅(Z方向)を変化
↓
「レンジシフタ」
↓ 粒子線のエネルギーを吸収し、
↓ Z方向の距離を微調整
↓
「コリメータ(ブロック+MLC)」
↓ X、Y方向の照射野の限定
↓
「ボーラス」
↓ 粒子線の飛程(Z方向)を
↓ 標的の末端側の形状に合わせて調整
↓
「標的」
○照射方法
(2012 46)
・ブロードビーム法 (一般的)
広いビームを成型し、ボーラスやコリメータで照射野を作り、照射する方法
線量的に平坦な照射野を形成する必要がある
・スキャニング法 (2016 54)
細いビームを成型し、照射する方法
ビームの効率良い使用ができる
*二重リング
:シンクロトロンを水平方向と垂直方向のビームに分けて照射する方法
○側方照射野形成法
(2015 41)
「ワブラー法」
「二重散乱体法」
b. フラグメンテーション
・核破砕現象 (2016 54、2015 41、2012 46)
重粒子では核破砕現象によってブラッグピーク以降にも5~20%ほど線量付与がある
・スター現象
π中間子が原子核に衝突したとき、ハドロンや軽い核を四方に放出する現象
c. LET 分布
G. 中性子線
a. 核反応〈散乱、核変換、核破砕〉 b. LET 分布
○BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)
あらかじめ投与した、腫瘍に特異的に取り込まれたホウ素(10B)と中性子との核反応により発生する粒子線(α線、7Li粒子)による治療方法
・中性子
ホウ素(10B)との反応断面積が大きな熱中性子ち始めとする低エネルギーの中性子を使用する
・利点
α線、7Li粒子ともに、飛程がおよそ10µm(細胞一つ分程度)しかないため、腫瘍にのみダメージがある
投与したホウ素化合物をほとんど取り込まない正常細胞はあまり大きなダメージを受けない
1回の照射で治療が終了する
・対象
「悪性脳腫瘍」「悪性黒色腫」「頭頚部腫瘍」「肝臓癌」「肺癌」「中皮腫」「骨軟部肉腫」など
H. 密封小線源
a. 線源強度 b. 空気衝突カーマ率定数,空気カーマ率定数,照射線量率定数,照射線量/吸収線量
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