I. 線量と線量分布検証
a. 電離箱による検証
○固体ファントム
(2016 記述、2014 56)
固体ファントムで得られた水吸収線量 Dw(dw)
Dw(dw) = Mpl(dpl) × hQpl × ND,W × kQ
・Mpl(dpl)
:固体ファントム内の水等価深での電離箱線量計指示値
・深さスケーリング係数 Cpl
Cpl =「水の測定深」÷「固体ファントムでの水等価深」
固体ファントムの密度と元素祖型が基準媒質である水と異なることによって、ファントム内での放射線の吸収・散乱に違いが生じるため、これを補正する係数
以下算出方法
(1)密度比による方法
:元素組成が違うので不適
(2)電子濃度比による方法
:コンプトン効果のみを考慮しているため、不適
(3)実効線減弱係数比による方法
:すべての相互作用を考慮している
・フルエンススケーリング係数 hpl(別名:電離量変換係数)
固体ファントムで測定した電離量を水ファントムで測定した電離量に変化するための係数
hpl =「水の基準深での電離箱線量計指示値」÷「固体ファントム内の水等価深での電離箱線量計指示値」
b. 2 次元検出器による検証
c. 3 次元検出器による検証
d. ガンマ法〈DD、DTA〉
(2014 記述)
○Dose-difference(DD)法
従来の線量差を意味し、線量勾配が穏やかな領域での線量誤差の検出に有効
Hot/Cold spotの検出に有効
線量勾配が急な領域では、わずかな位置ずれによって大きな線量差を示してしまう
○Distance-to-agreement(DTA)法
等しい線量を示す点の間の最短距離を意味し、線量勾配が急な領域での位置ずれの検出に有効
線量勾配の平坦な領域では、わずかな線量差によって大きなDTAを示してしまう
○ガンマ解析法
線量分布全体を共通の指標(ガンマ値)で定量的に評価するDD法と DTA法を合わせた評価方法
Hot/Cold spotの検出能が低い
DDとDTAのどちらが支配的であるかは評価できない
・大ガンマ値 Γ(γe,γr)
$$Γ(γe,γr)=\sqrt { \frac { r^{ 2 }(γe,γr) }{ Δd^{ 2 } } +\frac { σ^{ 2 }(γe,γr) }{ ΔD^{ 2 } } } (楕円方程式)$$
Δd:DTAの判定基準(3mmなど)
ΔD:DDの判定基準(3%)
ある基準点に対し、全ての評価点で計算される
すべての点を計算するのは時間がかかるため、基準点を中心として制限範囲内で計算する
・小ガンマ値
得られた大ガンマ値の最小値
小ガンマ値が1以下であれば合格(ゼロに近いほど良く一致している)
・基準が最大線量 or 処方線量 :グローバル評価
・基準点での評価 :ローカル評価
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