2.原子、原子核
B. 原子核
a. 原子核の構造と模型
(2016 07、2016 05)
・原子核の半径R = 1.3×10-15×A1/3 [m]
A:質量数
・原子の半径:10-10[m]
b. 大きさと密度の飽和性
c. 質量と結合エネルギー d. 核力、質量欠損
(2012 10)
・核力(強い相互作用)によって生じる
→ 距離が離れると効果がない
・質量60(Feくらい)近くで最大となる
→ Feの結合エネルギー:8.8MeV
・核子当たりの平均結合エネルギーは1~9MeV
・陽子-陽子間にはクーロン力も働く
・α粒子は極大値を取り、約7MeV
e. 安定同位体、放射性同位体
(2015 05)
安定同位体:260(15%)
放射性同位体:1500(85%)
f. 放射性同位体の壊変形式
○α壊変
(2017 06、2012 02)
(A,Z) → (A-4,Z-2) + α
・親核種からα粒子が飛び出す
・壊変条件:Q>0
Q値={M親-(m娘+mα)}×C2
M親:親核種の質量
m娘:娘核種の質量
C:光速
・α粒子のエネルギーEα=m娘 / (m娘+mα)×Q
→ α線は一定のエネルギー,線スペクトル
→ Eαはトンネル効果によってクーロン障壁を超える
・生成核の反跳エネルギーEb
Eb= mα/ (m娘+mα)×Q
= (mα/ m娘)×Eα
○β-壊変
(2012 02 04)
(A,Z) → (A,Z+1) + β-
・弱い相互作用によっておこる
中性子が「陽子」「β-」「反ニュートリノ」になる
・壊変条件:Q>0,M親>m娘
Q値={M親-(m娘+me)}×C2
・β-線の最大エネルギーEβ-max
Eβ-max=(M親-m娘)×C2
→ β-,反ニュートリノの角度・エネルギーは連続スペクトル
○β+壊変
(2015 08、2012 04)
(A,Z) → (A,Z-1) + β+
・弱い相互作用によっておこる
陽子が「中性子」「β+」「ニュートリノ」になる
・壊変条件:Q>0,M親-m娘-2me>0
Q値={M親-(m娘+2me)}×C2
・β+線の最大エネルギーEβ+max
Eβ+max=(M親-m娘-2me)×C2
→β+,ニュートリノの角度・エネルギーは連続スペクトル
*β-とは異なるスペクトル分布を示すので注意
○EC壊変
(A,Z) → (A,Z-1)
・β+壊変と競合して起こる
陽子が「軌道電子」を捕獲して「中性子」「ニュートリノ」になる
・結果として、電子の軌道に空席が生じる
→「特性X線放出」または「オージェ電子放出」が起こる
○核異性体転移 (IT)
(A,Z)m → (A,Z) + γ線
○内部転換
(2017 07)
・γ線を放出する代わりに軌道電子を放出する現象で、γ線放出との競合反応
・内部転換電子のエネルギーEe=Eγ-E束
Eγ:γ線エネルギー
E束:軌道電子束縛エネルギー
→内部転換電子のエネルギーは一定のエネルギー,線スペクトル
L殻内部転換電子のエネルギー>K格内部転換電子のエネルギー
・内部転換係数
内部転換係数=「内部転換電子放出数」÷「γ線放出数」
→0~∞までの値を取りうる
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