D. X 線、γ線(外部照射)
E. 電子線
a. 深部量百分率〈PDD〉
SSD (Source-Surface Distance) 一定とし, 表面での照射野をA0とする。
ビーム中心軸上の水中の深さdを変えながら測定した線量をD(d, A0) としたとき, D(d, A0) の最大値(もしくは基準深drでの線量) をDr(A0) としたとき上記の式で表される
・特性
距離依存性(Mayneord の法則)
:SSDが大きくなると,PDDも大きくなる
○X線のPDD
(2017 記述、2013 41、2012 43)
・X線では深さによる阻止能比の変化量が少ないため、
深部電離百分率曲線≒深部量百分率となる
・2次電子平衡が成立する点で深部量が最大となり、
それ以降は深部量が少なくなる
・入射光子のエネルギーが高いほど
→ 二次電子の飛程が長くなる
→ 2次電子平衡が表面では成立しない
→ ビルドアップがより深部になる
→ ビルドアップ領域以降の深部の線量が多くなる
→ 前方散乱が多くなる
→ 照射野の散乱線への影響は少なくなる
・照射野が小さいほど
→ 散乱線の影響が小さくなる
→ ビルドダウン、ビルドアップが顕著になる
→ 深部でPDDが小さくなる
・測定深が深いほど、照射野が小さいほど、
側方二次電子平衡が成立しなくなる
・SSDが大きくなるほど、
PDDは大きくなるが、
深部吸収線量は小さくなり、
半影は小さくなる
・不均質媒質中におけるPPD
*ビルドアップ効果:多重散乱によるもの
ビルドアップ:低密度から高密度へ
ビルドダウン:高密度から低密度へ
*側方二次電子平衡(LSE)
:照射野が変わってもPDDに変化が無くなる状態
○電子線のPDD
(2017 52、2015 記述、2014 07、2013 48)
・電子線はファントム内で深いほど、
線質が硬くなるたり、
平均制限質量衝突阻止能比が大きくなり、
電離量と吸収線量に乖離が生じるため、
以下の式となる
深部量百分率(PDD)
= 深部電離量百分率曲線(PDI)× 各深さの制限質量衝突阻止能比
・高エネルギーなほど
→ ビルドアップ効果が薄れる
→ 表面線量が大きくなる
→ 最大深は深くなる
→ 深部における曲線の傾斜は穏やかになる
→ 散乱角は小さく、飛程は長い
→ 側方電子平衡が成立する照射野は大きい
・照射野が小さい(基準照射野以下)ほど
→ 最大深が浅くなる、最大飛程は変化しない
b. 組織空中線量比〈TAR〉
c. 組織最大線量比〈TMR: tissue-maximum ratio〉
(2014 45)
STD (通常 Source Iso-center Distance)を一定つまり,検出器を一定の位置に固定し, その位置での照射野の大きさをAとする
検出器までの水の深さdを変えながら測定した線量D(d, A0), D(d, A) の最大値(もしくは基準深drでの線量) Dr(A) で上記の式で表される
d. 組織ファントム線量比〈TPR〉
*相対線量
(2014 45)
★TMR=TPR | TAR | PDD | |
照射野↑ | ↑ | ↑ | ↑ |
線質=エネルギー↑ | ↑ | 変化 | ↑ |
表面からの深さ↑ | ↓ | ↓ | ↓ |
SSD↑ | 不変 | 不変 | ↑ |
STD↑ | 不変 | 不変 | ↑ |
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